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FLCスタッフエッセイ

2017.11.02 五感
お出かけしてみませんか? ・・・京都「国宝展」を訪ねて・・・

                                      西川 昌枝

先日、家族に誘われて国立京都博物館で開催されている「国宝展」に行ってきました。

私は日本の古物より西洋アンティークが好きで、はじめ乗り気でなかったのです。が、
「悠久の歴史と美を伝える類まれなる国の宝が集結」と紹介されていて、「これを見逃したらもう見られないかも」と考え直し、観光客のごった返す京都に向かいました。

意外と人気で、立派な博物館は混雑していました。ただその中にも、のんびりした雰囲気があったのは国宝の持つ効果でしょうか。
薄暗い場内は、見覚えのあるような仏画、絵巻物、土器、衣装、金工、美術品の数々が美しくライトアップされていました。

試験でも検定でもないから、気楽に見てただ感じるだけ。それなのに、本物の国宝には、教科書の写真からは伝わらないものが備わっているのか、眺めているとほぅと溜息が出るのもありました。

「これ、教科書で見たことあるなぁ」と思うとき、同じ言葉をつぶやかれる人の多かったこと!
むかし開いた教科書のおかげで、おぼろげでも知っている気分を味わっていると、
ふわーっと、教科書を手にしていたその当時・・小学生の頃の記憶まで思い出されてきたのでした。

それは教科書の匂いであったり、資料集の表紙、ランドセル、教室、チャイム、制服の白と紺、昼休みの運動場、ゴムとび、野花を摘み摘み帰った道、、
展示室の中で、すっかり忘れていた子どもの頃がつぎつぎと蘇ってきて、くすくす笑いが出そうでした。

そんな思い出と一緒に、千年前の暮らしを想像(妄想?)したり、国宝を「漫画みたい」「細かい」「よく残ったなぁ」と他愛ないことを言いながら回っているうちに、受身で訪れたとは思えないほど上機嫌に、やたら元気になって退場しました。

話がそれてしまいますが、京都は私にとって特別な町なのです。というのも、京都は、初めて一人暮らしを始めた町で、世間知らずだった過去の自分にふと立ち返ることできるところ。そして人生のページが次々にめくられた場所でした。

子どもの私、若かった私、今の私。それが一続き。京都でのたくさんの失敗も今は笑えるなぁと。
たまには、思い出のある場所を訪れて、ノスタルジックな思いにふけるのも楽しいものだと思いながら和菓子を買って帰りました。

ちなみに国宝展は、開催期間が四期に分けられていて、それぞれの期間で国宝が入れ替わります。それに、京都の町も年々観光都市として進化していて、興味をそそるものがたくさんありますよ。
 
次は一期にはなかった「金印」を見にいってみようかな。

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